今日も普通の人に憧れて。

とあるアスペルガーの生きる術と日常。

美大に行ったところで、と言う人へ

 

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本日は、上記のブログ記事について反論したいと思います。

よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

大学は職業訓練校ではない

 

 就職に役立つ内容を教わっているわけでもなく、卒業の認定ももらえないとは皮肉なものです。

就職するための技術を教えるのが大学ではないのでしょうか?

 

そもそも大学というものは、日本の最高学府であり

教えを受け、学び、主体的に研究していく教育機関です。

 

本来、就職をするためにスキルアップする場所ではないのです。

 

学問とは、短期的利益を生み出すものではなく

長期的な文化の発展と叡智を地道に築き上げていくものです。

科研費が減らされているのも、お上がこれを理解していないからでしょう。)

 

大学で学問を究めることで、個人個人の知力を高め、

人間として深みが増して就職できたとしても、

それは副次的な産物としか言いようがありません。

 

それを最大の目的に大学に入学するのは実にナンセンスです。

 

 

 文系でも理系でも就職できる?!

 

就職の事を書くと先ほどの事を否定するようですが笑

 

美術系の学部はワイルドカードのようなもので、

全員というわけではありませんが、文系でも理系でも就職できます。

 

就職支援サイトに理系と登録することで、

理系の職種も志望することが出来ます。

 

それは芸術系もプログラムを専攻にしている人がいたり、

ビジュアルデザインの専攻なら、美術系と情報系の学際領域を

専門とする人だっています。 

 

私の大学では作品制作の予算を「実験費」のカテゴリーで計上していたと

大学時代の恩師から聞いたことがあります。やっている内容は文系でも、

その手段や過程は理系なのです。(この予算の付け方は私の大学独自のものかもしれませんが)

 

 

詰まるところ、美術系の学問は就職における

文系や理系といった概念に縛られるものではないということです。

 

 

デザイナーが持つスキルについて

 

しかし別に世界にそれがなくても、私達は生活をする事が出来ます。

音楽や芸術品というのは趣向品・贅沢品と言われるもので、そこにお金を出してくれる人には限りがあります。

 

次はこちらについて。

ちょっとこの引用箇所を読んだだけもキレそうではあるのですが。頑張ります。

 

 

 「絵を描く」という技術しか持たないデザイナー

 

私から言わせるとそれはイラストレーターです。

イラストレーターも絵を描くのが主な技術なだけで、

それが持てる技術の全てではありません。

 

 

 デザイナーと簡単に言っても、実際はさらに細かな分類があり

プロダクトデザイナー、グラフィックデザイナー、Webデザイナー、CGデザイナー、カーデザイナー、

ファッションデザイナー、テキスタイルデザイナー、DTPデザイナー…etc.

と、まあ枚挙にいとまがないわけです。

 

デザイナーがもつスキルは

  • 機能性
  • 装飾性
  • 操作性
  • 機能美
  • 安全性
  • 訴求力

 これらの要素を持ち合わせたモノを作り出すことができるというものです。

 

 分野によっては1つのスキルしか使わなかったり、

上記の全てを駆使する分野の方もいるでしょう。

さらに言うと、他の要素も求められることだってあるかもしれません。

 

スマホで例えると、

ユーザーのニーズに合わせてハイレゾ対応の音楽再生機能を考え(機能性)、

スマホが美しく見えるよう背面を鏡面仕上げにし(装飾性)、

使いやすいUIを考え(操作性)

手で扱いやすい幅と高さにし角を丸め、直線美の感じさせるフォルムにする(機能美)

 落としても壊れにくいハードにする(安全性)

作ったスマホを売れるようにするため広告を打ち出す(訴求力)

といった感じです。

 

もちろんこれが一人の仕事とは言いませんが、

実際はそれぞれの要素でそれぞれのデザイナーが分担して仕事をしています。

これらの要素は営業の方や技術者の方とも一緒に動かすことがあるかもしれません。

 

ただ、営業の人だけでも技術者の人だけでも考えることが出来ないものはたくさんあります。

 

そこで登場するのがデザイナーです。

 

デザイナーも営業の人のようにニーズを分析したうえでモノを売るなんてことは出来ませんし(してる人はいますが)、技術者のようにモノを実際に生産ラインで作ることも出来ません(してる人はいますが!)。

 

”デザイナーは偉い” なんてことは言いません。

適材適所、必要な場面で必要な時に役に立つのがデザイナーのポジションです。

 

ですから、デザイナーがいないことで

別に世界にそれがなくても、私達は生活をする事が出来ます”とは

言い難いと思います。

 

「なんでボタンがこんなところに!?」「邪魔じゃん」「分かりにくっ」

 

「なんでこんな低いところにフタが??」「子どもが遊んで危ないかも」

 

こんなことになっちゃうかもしれません。

 

様々な場所で様々な重箱の隅をつつくような仕事をして、

ちょっとずつオシャレになったり使いやすくなったりする世の中にしているのです。

 

 

 

別にデザイナーにならなくたっていい

 

極論を言うと、

美大や芸大を出たからといってデザイナーにならなくてもよいのです。

 

 

じゃあ、就職はどうするんだ?

 

いや、そんなことではありません。

 

 

最初に述べたように、大学とは学問を究める場であります。

 

だからといって、学びたいことと将来やりたい仕事と違っていて

何の不思議もありません。

 

私の友人には、営業職や事務職に就いた人もいます。

 

別に大学に入ってから将来何をしたいか決めてもいいんです。

 

 

私の友人は上には上がいると、筆を折る人がいました。

でも、それは本人の決断です。

 

大学へ行き、曲がりなりにも学問を究めた結果の決断です。

 

 

大学は学問の場、それに変わりはありません。

 

 

 

AI時代を生きるということ

 

少し関係のない話かもしれませんが。

 

近い将来、シンギュラリティが来ると言われていますね。

人間を超えるとも言われています。

 

本当にそんな時代が来るのか来ないのか私には分かりませんが、

もし来るとしたなら…

 

絵が描ける人間は何かしらで生き残る

 

そう思います。

まあ、デザイナーという職業は無くなっているかもしれませんが。

 

なんでかというと、

0から1を生み出すことができる能力だからです。

 

 最近、AIはゴッホ風の絵やピカソ風の絵などを再現することが出来るそうです。

 しかしそれは教師データあってこそのもの。

 

その革新の延長線上で0から1を生み出すことが出来るようになったとしても、

その時点で人間とAIは同じ立場に立っただけです。

 

1人、絵を描ける存在が増えただけです。

 

ただ、AIが気軽にイラストを描いてくれたりするようになると、

第二次いらすとやブームのようなものが来そうではあります。

 

その昔、カメラが登場した時代に画家たちは失業するんじゃないかと

怯えていましたが、そんなことはなかったんじゃないかと思います。

 今でも画家という職業の人もいますし。

 

また、デジタル機器が身近になった今でも「紙とペン」は使われています。

 

有名OSを作る某M社の人とお話する機会があったのですが、

 

「一家に一台パソコンを、というのがM社の当初の目標とお聞きしましたが、これからはアナログのものがデジタルに置き換えられていくという動きを進めていくのでしょうか?」

と言った質問をしたように記憶しています。

 

M社の方は、

「パソコンやスマホも道具なんです。紙とペンだって道具。私たちはユーザーのツールを作っているだけであって、アナログデジタル関係なく使いやすい方をユーザーが選べばいいのです。」と言っておられました。

 

お話した方の個人的な見解かもしれませんが、

これは、AIと私たち人間が生きていく中で鍵になるのではないかと思います。

 

AIも道具、言ってしまえば人のために作られたものです。

 

ですから、「共存出来るはず」というのが私の考えです。

 

 

 

 

今回は、「俺の話を聞け!」という気持ちになったので書きました。

 人間としてまだまだ未熟で考えが足りない部分もあるかと思いますが、

楽しんでいただけたのなら幸いです。

 

ではまた。